親がアパートなどの貸家を所有している場合の相続税の節税対策として、その貸家の生前贈与があります。
アパートが建っている宅地の評価は貸家建付地といって財産の評価は、更地評価額×(1-借地権割合×借家権割合)で計算されます。
たとえば、借地権を7割、借家権を3割とすると、その宅地の評価は79%となり、2割ほど土地が低く評価されることになります。
また、宅地上のアパートから賃料収入を得られるので、土地を更地にしておくよりも、有効な土地活用ができます。
さらに、税務上、相続税は財産の時価に対して課税され、その財産の収益力には課税されません。
財産の移転にスポットをあてるのではなく、そこから得られる収益(賃料収入)の移転を生前対策としてすることにより、相続財産の増加を抑えることができ、また、子の相続税の納税資金の準備が進められるというメリットがあるので、アパート経営などの賃貸経営は、生前における相続税の節税対策として非常に有効な方法といえます。
相続税の納税資金対策は、相続税の節税対策と共に、車の両輪として常に考えておくべき課題といえます。
ちなみに、相続税の納税資金対策としては、一般に生命保険の活用が良いとされていますが、終身型の保険以外は被相続人の死亡より早く期限がきてしまうこともありますし、期限を過ぎると保障額が下がることもあるので、どの種類の生命保険を選ぶかの配慮も必要です。